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タイヤにまつわる危険なお話しまずはじめに、この記事はインチアップを真剣に考え、尚且つ安全にお乗りになりたい方や、現在の仕様に不安や疑問を感じる方に読んでいただきたい。 近年多くのドレスアッパーが好んでおこなうヒッパリタイヤ・・・ここに大きな落とし穴があるのをご存知だろうか!? ユーザーはもとより、販売している店員すら把握していないケースが多くあります。 ヒッパリの落とし穴とは何か!?これからその説明をさせていただきます。 多少話は長いですが、どうか最後までお付き合いください。 通常、タイヤというのはその車に適した幅・扁平のものを選択し、装着します。もちろん装着されるホイールにも最適な適合サイズがあります。タイヤカタログには適合リム幅というものが記載されており、その適合範囲の中で選択し装着するのが当然であり通常の行為であります。 ヒッパリとは適合リム幅を大幅に超えたサイズの物にタイヤを組み込み、サイドウォールが斜め状になっているタイヤホイールのセットの事を呼びます 例 オデッセイRA系 メーカー推奨サイズ 225/40-19 93 適合リム幅7,5~9J ホイール 19×7,5J+51 この様に各ホイールメーカーから推奨サイズが設定されており、このサイズであれば安全を意味しております。 フェンダーのツメオリやローダウンをおこなう事で、このサイズよりも多少太めのタイヤやホイールをはみ出さずに装着することも可能になります。ここからはきちんとした知識をもった店員さんのうでの見せ所で、いかに綺麗に・カッコよくセットアップするのがポイントとなります。 例 オデッセイRA系 店員さん推奨サイズ 225/40-19 93 適合リム幅7,5~9J ホイール フロント 19×8J+48 リア 19×8J+38 この様なマッチングですとギリギリ車検にも通り、お客様も安心してお乗りいただけます。 しかし普通とは違ったカスタマイズを好む方もおり、、数多く出版されているドレスアップ雑誌に掲載されているような、超ヒッパリ風にしたい!! とにかく目立てさせたい!!とお考えの方が多いのも現実です。 そしてそれを専門ショップのスタッフに相談し、ツメオリ・超シャコタン・多目のキャンバー角ならこのサイズが入るよ!と言う条件の中でサイズ設定をされている事と思います 例 オデッセイRA系 店員さん推奨サイズ 225/35-19 84 適合リム幅7,5~9,5J ホイール 19×9J+40 思いっきりリムがはみ出し、超シャコタンでも普通ではこの様なサイズは入りませんが、これらを何とか収めてしまうのがスペシャリスト?またはノウハウを持ったスタッフと呼ぶらしいです・・・? がしかし!これは大きな間違いです! 間違いその① 車検に通らない(真上から車をみて、ホイールセンターより上側がはみ出している) 間違いその② タイヤ外径が小さく、メーターに狂いが生じる 間違いその③ ロードインデックス 225/35-19 84←この84!が大きく下回っている! その他間違いは数多くあるが、ここでは③のロードインデックス(以下L I )について強く発言したい。 タイヤにはサイズごとに支えられる重さ(荷重)の大きさがきまっています。これをロードインデックスと呼びます。 225/35-19 84 の84がL Iです。 この84の負荷能力は空気圧240kPa(2,4キロ相当の事)時500kgです。 つまりこのタイヤは規定の条件下で1本あたり500キロの重さまで耐えられるという事です すなわち、これを超えて使用する( 車重の重い車での使用 )場合、ほとんどタイヤをダメにします。私達が確認したところタイヤセパレーション現象を起こしているのがほとんどでした。また、ホイールのインナー側のクラックも多く見受けられます(セダン系リアに多い) ここにL I 早見表があります 早見表を御覧になりながらお読みください ちなみに純正サイズ 215/60-16 95の負荷能力は 240kPa時 690kgとなります。 純正ハイグレードサイズ 215/55-17 93の場合は 650kgとなります。 仮にオデッセイが220kPaで使用指定だとすると215/55-17 93 の場合は620Kgの能力になります。 ちなみにRA6 2WDの車重データです・・・ 型式 RA6 前軸重 940kg / 後軸重 670kg 車両重量1,610kg( 空車時 ) ところが乗車定員7人乗車時 (人ひとり55キロ計算となります。軽っっ!!) になると 前軸重 1,050kg / 後軸重 945kg 車両総重量1,995kg ここで賢い方ならおわかりになると思いますが、前輪に関しては片側あたり500キロを越えているのにお気づきだと思います。前軸重 1,050kg÷2(左右1輪ずつ)=525キロ 215/55-17 93 の場合 620Kg - 525Kg =95Kg←この分余裕がある!! 自動車メーカーは常に余裕(安全のため)をもって設定しているのがこれでおわかりになると思います。 つまり225/35-19 84 の84ではどんなにがんばっても500Kgしか能力がありません。 無知な店員は3キロくらい入れれば大丈夫!などと話しておりますが、通常のタイヤは最大空気圧240kPaと定められており、それ以上入れた場合の能力は不明なのです。 しかもそんなに多く入れた場合、タイヤのトレッドセンター部が大きく張り出し、変摩耗の原因にもつながります しかしタイヤにはベンツやBMW等大型セダンに対応する レインフォースド規格又はエクストラロード規格というものがあります。(空気圧を最大290kPaまで入れて高負荷に対応できるタイヤ) これらの場合は 同 225/35-19 でもL I 88となり、負荷能力も560kgとなります。 ここで初めて負荷能力が上回ることに成功しました。 225/35-19 88 の場合 560Kg - 525Kg =35Kg←この分わずかに余裕 がしかし、男性80キロ級の方がフル乗車したら・・・・ 前軸重 1,100kg / 後軸重 1,070kg 車両総重量2,170kgとなるでしょう 560Kg - 550Kg =10Kg←結構微妙です・・・ この場合はかろうじてクリアできることがわかると思います。 ところで新型オデッセイ アブソルートのタイヤサイズをみると225/45-18 91と記載! L I 91は、負荷能力615kg! もし220kPa指定なら585kg・・・ これも何とかクリア! 240kPa指定なら615kg・・・余裕でクリア! ここまで計算した上ではじき出したサイズが225/35-19 88ならまだしも、幅的に・・・外径的・・・美的・・・になどという理由で選択したのであれば大きな間違いである。 つまりカッコいい・・・とかこのサイズでないと入らない・・・などと検討しながらタイヤやホイールのサイズ選択をするのは間違いではないが、これらの全ての条件を満たした上で選択するべきである。 私が強く訴えたいことは、ユーザー様はこれらの事を知らなくても問題は無いとは言いませんが、少なくとも販売する側はそれら全てを把握していなければならないと言うことです。 装着後、すぐにバーストする事も考えられます。多くのユーザー様は 『自分が好きでやっている事だし、自分の責任で履いているんだから、おまわりさんに捕まろうと、バーストしようとかまわない。廻りには迷惑をかけないから』などと発言しておりますがそれは大きな間違いではないでしょうか? 幼い子を持つ親の立場から発言させていただきますが、もし走行中バーストをして、コントロール不能になり、登校中の子供や園児の列に突っ込んでしまい、大惨事でも起こしたらどうなりますか?それでも廻りに迷惑をかけないなどと言う言葉は通用しますか? 何かあってからでは遅いのです。自動車保険も違法改造車の場合適用されない場合もあります。 販売する側も、お客様から違法性の物を強く熱望されても、きちんと正しく対応し、セットアップするのが本当のスペシャリストだと私は思います。 シンナーや麻薬も正しい利用法の上では問題ないものの、これでは誤った使用法で自らの快楽のために使っている犯罪行為と同じようなもので、それを一部の無知な販売店が助長しているのと同じではないかと私は思います メーカーでも基準を満たしていない場合はセパレーション等のクレームには絶対に応じません! 簡単に門前払いを食らいます。その場合お店側がきちんとクレーム対応に応じてくれればいいのですが、ほとんどの場合はお客様の使用上の問題 ( 段差に乗り上げた・空気圧不足 ) などといってごまかされる場合がほとんどです。 以前、某有名タイヤホイール専門通販店 ( おそらく、みなさんがご存知なお店 )で販売しているセット品に L I の問題があるのを発見し、問合わせをしたところ、『セパレーションは運転者の運転ミスが問題。なんでうちらが悪いの?うちら売ってるだけじゃん!』と心無い返答がきましたが、最近は自らの広告に負荷能力についてのコメントが出ていて必要性をうったえてました。←少し安心・・・ 近い将来L Iを満たしていないと車検に通らなくなるらしいです。 もう一度ご自分の装着しているタイヤサイズ・L I ・空気圧等の確認をし、適正なものでない場合、正しいものへの変更をされるようお願いします 最後まで読んでいただき、どうもありがとうございました |
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