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SRX400 車検整備です


今回は、甲府市にお住まいのお客様から、長年放置してあったSRX400を直して車検を取って欲しいという依頼がありました

10年位前に当店を利用いただいたらしく、たまたま見ていた当ホームページを見てわざわざ来店して頂きました

お客様の自宅に引き取りに行き、そこで見たSRXはメチャメチャ綺麗でした

あっ・・・外見はね・・・
外見とは裏腹に、中身がヒドイ!!!

何ですか?この錆びは!

なんとガソリンタンクの錆びです

約5年シートカバーをかけた状態で放置してあったらしいです

完全に気化していて、錆の層が出来ています・・・
こりゃキャブとかもヒドイんだろうなぁ
早速タンクを外し、整備開始です

まずはキャブの取り外しから

SRXは400ccの単気筒エンジンなのですが、吸・排気ポートがツインポートになっています

だからパッと見、2気筒に見えます

キャブもプライマリーとセカンダリーと機能が分かれているんですよ
キャブのフロートチャンバーにはガゾリンが腐って気化した状態に・・・

もちろんジェットも何もかもが詰まってドロドロした状態・・・

スロットルバルブも固着していて動かない・・・

とりあえず必要な所まで分解します

ブレーキクリーナーとかで少し溶かしながらじゃないと外れない所もありました

それにしても汚いですねぇ・・・

まぁ、もっとヒドイのもありますけど
今回使用したのはこの3点

ワコーケミカルのエンジンコンディショナーとキャブクリーナーと 花咲か爺さんのタンククリーナーです

エンコンは主にベッタリと着いた汚れを強力に溶かし、詰まりを取ってくれます

キャブクリはそれらを洗い流します

タンククリーナーは酸で錆を落とし、防錆効果もあるんです
エンコンをキャブの詰まった所に吹きかけると、出てくる出てくる・・・汚れが

穴という穴にバンバンかけて汚れを溶かしていきます

ゴム類にかかるとブヨブヨしてしまうのでそのあたりは慎重におこないます
スロットルバルブ側も同じくバンバンかけます

負圧スロットルバルブに付いているダイヤフラムにはかけてはいけません

下に溜まった汚れが、このキャブの汚さを物語っているでしょ?

溜まった所に、メインジェットや各種ジェット類を漬けておきます
およそ1時間くらい経ったでしょうか

御覧の様にベッタリと着いていた汚れは綺麗に落ちました

もちろんエアガンでブシュブシュ吹いて穴という穴は全て貫通させます
後日頼んであった部品たちも続々と届き、何とかエンジン始動までは行けそうです

これはフロートバルブセットです
タンクから流れてきたガソリンがキャブに入る最初の所です

白いのがフィルターで、ここで細かなゴミを取り除きます。 中央のバルブ先端に付いている黒くとがったゴムは一定量にガソリンを保つのに重要な役割の部品。これがダメだとオーバーフローしちゃいます
パッキン・Oリング等交換して綺麗になったキャブ♪

不動の原因のほとんどはキャブだと思います。もちろんプラグとかもあるけど、1番汚れるのはここだもんね

あとは元通りエンジンに組み付けます
バッテリーも交換して、準備OKです

しかし長年始動していないのでいきなりエンジン始動するのはまずいので、プラグを抜いて数十秒間クランキングします

これはシリンダーヘッド周りにオイルを送るためです

本当はエンジン開けるのが1番ですが、そういう訳にもいきませんからね
間に合わせのガソリンタンクを用意して、キャブとジョイントします

フロートチャンバーにガソリンが送られているのを確認。

オーバーフローも無し♪

新品のプラグを付けてチョークレバーを引いてクランキング。

ドドッドドッとすんなりとかかりましたぁ
あまり高い回転にはせずに充分に暖気をします

チョークを戻し、アイドリング調整を行なってみます

さすがはまだ5000キロエンジン♪

異音も無く綺麗にアイドリングしています
オイルが充分温まったら次はオイル交換です
お客さんがどこまでハードに走るかは解らないので、ここは無難にヤマハ純正オイルを入れる事に。

およそ2,5リットル入れるらしい

粘度は10W40

オイルクーラー着いているからこれくらいでもいいかな?

あんまり硬いとギア入り難いしね
オイルエレメントももちろん交換です

エレメントはエンジン右側に着いています

大小二つのOリングの交換もキチンとして、オイル漏れや滲みを防ぎます

エレメントが入っている場所に残ったオイルも綺麗に拭き取ります
SRXの後期型はオイルパンを持たないドライサンプ方式ですので、エンジン下部とオイルタンク下部の2ヶ所から、オイルを抜き取ります

長年入っていたオイルはそれ程汚れてはいませんでしたが、なるべく全てを抜き取りたいので、車体を大きく傾けたりして、出来る限り抜きます

あとはマニュアル通りにオイルを入れて量をチェックです。ここまでは順調ですねぇ
突然ですみません

これ何か解りますか?

実はこれ、タンクにへばり付いていた錆びのかたまりです・・・

おいおい・・・ 大丈夫かよ・・・

実は画像はありませんが、何よりも1番大変なのはタンクの錆び落としでした
花咲か爺さんを入れて熱いお湯をタンクイッパイまで入れて約2日間放置

その水を抜き取ってひたすら真水ですすいで中の錆をひたすら落とす

入れてはシェイクして抜いてを繰り返す事およそ20回。やっとここまできました

しかし入りくんだ所はしつこくへばりついている・・・ 最後の手段でナットとビスを大量にぶち込み、更にシェイク!

どうですか!?綺麗になったでしょ?