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前回、物凄い白煙をまき散らしたFDのT君から、大雨の夜に電話がかかってきました
矢野さーん!!
エンジンからギャーって凄い音が鳴ったと思ったらエンストしちゃいましたぁ
その後は、エンジンが掛からなくて・・・
私 多分エアポンプじゃない?
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実は琵琶湖に行っていた時にかかってきたので、どうにもしてあげる事が出来なかったので、ロードサービスを利用してもらい、当店まで運んできてもらいました。
早速チェックしてみたら、やはりエアポンプのロック(焼きつき)でした
ダクト付きのエアロボンネットのFDに最も多いトラブルです。
この車は、ポンプの真上にでっかい穴が開いていました・・・こりゃダメだ・・・ |
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具体的に説明すると、エアポンプとはREの特有の装置で、排気ガスの浄化と、排気ガスがエンジンから排出される時にスムーズに排出されるようにしている装置です。
ポンプは空気を、上の図矢印方向に吸い上げ、圧縮して排気ポートへ送られていきます。
つまりプライマリータービンのエアクリーナー部分からエアを吸い込んでいますので、エアクリーナーにモロに水がかかったという事です |
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ギャーと鳴ったのは、ポンプが焼き着いてロックした為ですが、ポンプのカプラーを外せば電磁クラッチが切れるので、一時的には通常の走行は可能になります
とりあえずポンプを外します
それにしても真っ黒いベタベタしたオイルがポンプからにじみ出ています
しかもやたら沢山と・・・ |
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ポンプを外したら、案の定水がドバドバ出てきました
こりゃヒドイなぁ!
エンジン大丈夫かなぁ?
なんかエアクリ辺りから白煙も出ていたし・・・
嫌な予感がするなぁ・・・ |
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中古で用意したポンプです
新品買うと10万近くするんですよ!
水を吸っていなくても、結構な確立で壊れます
ポンプ部分だけでなく、電磁クラッチがダメな場合もあります
今のところリビルト品もありませんので、新品か中古を探すしかありません |
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付近に飛び散っていた真っ黒オイルを除去し、ポンプの交換をしました
ポンプがロックしているかしていないかのチェックは、この様にセンターのナットをつまんで回してみる事です |
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この様につまんで回す事が出来たら、おそらく焼き付いている事はないでしょう
エンジン始動でこのナットが回っていれば電磁クラッチは作動しているはず。
アイドリングから2500rpm位まではクラッチは繋がっているはずですので、もし繋がっていなくてポンプが回っていないようでしたら、クラッチが壊れています。 |
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ポンプ交換も終わり、無事にエンジン始動して、ポンプの動きも確認した時でした。
セカンダリーターボ用のクリーナーからオイルが垂れてきているではありませんか!?
なんだ?なんだっ?
タービンフランジのナットを緩めた途端、この様に大量のオイルが吹きこぼれてきました・・・ |
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まさか・・・?
不安に思い、エアポンプをばらしてみました。
物凄い錆と、ドロドロした黒いオイルでいっぱいです |
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これがポンプのシールです
ロータリーのアペックスシールみたいなものです
カーボンのような材質で出来ています
もうポンプ内は完全にロックしていてビクともしません |
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錆びはこの様に・・・
しかもシールが粉砕していて辺りに散らばっているではないですか! |
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このパイプはポンプから排気ポートへ繋がる部分です
上の図の水が大量に出てきていた所です
その中にシールの破片を発見してしまいました・・・
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お次はポンプのエア吸い込み口のパイプを外してみます
なんか凄く嫌な予感がするんだけどっ |
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案の定こちらにも破片が・・・
もう何となく分っちゃいました
恐らくタービンに破片が回っていると思います
完全にロックする前にシールの破片が飛び散り、プライマリータービン側に回ったらしい。
実際にサクションパイプ無しで始動したらプライマリーからオイルがバンバン噴いているし・・・ タービンダメかも・・・ |
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中から発見した破片です。
明らかにシールの破片です。
因みにエアクリーナーのフィルター部分にも付着しておりました
ズバリ!断言します!!
FDオーナーでボンネット交換している方は、なるべく雨天時には乗らないようにしてください!
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