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なんか最近はLSDのオーバーホールばっかりやっているように感じます
今回はMy S14の LSDをバラしたいと思います
というのも、S14を手に入れてから元々着いていた物で、効き具合からワンウェイと判断出来ていたので、よりドリフトに向いている2ウェイに変更。
そしてだいぶ効きが落ちてきていたので、リフレッシュする事にしました |
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形状から、CUSCOのLSDと判明しました。
タイプRSという特殊コイルスプリングを使用するモデルではなく、コーンプレートというスプリング効果のあるプレートを採用したタイプMZでした
赤いオメガのオイルを交換すればそれなりに効きも回復するのですが、ここはやっぱり新品ディスクへと交換です |
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まずは現在組み込まれているディスクの厚さチェックです
このモデルは外歯、内歯合わせて合計16枚( 現行モデルは20枚 )、コーンプレート2枚の旧モデルでした
マイクロで測ると最薄が2,06mm。
最厚で2,08mmでした
左側合計が16,61mm
右側は 16,59mmでした
合計で33,20mm
イニシャルはおよそ6キロ位でした |
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全ての部品を徹底的に洗浄&脱脂。
因みにこの様にワンウェイで組み込まれていました。
ワンウェイとはアクセルONの状態の時にのみLSD効果が生まれる仕組みです
このシャフトが黄色方向にズレようとすると緑の部分を押し広げ、ピンク方向に広がります
このカム山の角度がキツイと効きやレスポンスが強くなる傾向になります
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因みに今回は2WAYに。つまりアクセルONでも、OFFでもどちらにでもLSD効果を発揮するという物。
1,5WAYってのも良く聞くでしょ?
あれは緑色の線のようにカム山が加工されていて、アクセルOFFの時に若干効く様に設計された物です
この画像から判断する限り、ほぼ同じ角度に見えますよね?
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LSDのO/Hってのはただ単純に新しいディスクに交換すればいいって訳ではありません。
何故かというと、いくらディスクは新品でも、ケースが摩耗している場合は設計時の効きは発揮出来ません。
また、僅か0,05mm位でも、イニシャル ( あらかじめディスク同士を密着させ、ロックさせておく力 ) が高くなりすぎて引きずりが強すぎたり、又はデフロック状態になってしまうためです |
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ですので、まずは元々の物を測定し、設計時からどの位磨り減っているかを測定し、更に新品ディスクもきちんと測定し、おおよその見当をつけて組み込む必要があるのです
ピンクの部分にディスクをのせます
黄色の溝に内歯ディスクの歯がおさまり、上の画像の溝に外歯ディスクの出っ張りが納まります
因みに通常は交互に重ねていきます
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新品のディスク。
カタログには2,1mmが16枚、調整用2,3mmが2枚、更に1,8mmが1枚、コーンプレートが2枚となっていましたが、実際測定すると
2,07mm 3枚
2,08mm 9枚
2,09mm 3枚
2,11mm 1枚
2,27mm 1枚
2,29mm 1枚
1,80mm 1枚でした |
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2,07mm 3枚
2,08mm 9枚
2,09mm 3枚
2,11mm 1枚の合計16枚とコーンをとりあえず入れて組み込みします
新品でもしっかりと洗浄して、たっぷりのLSDオイルを塗って組込みします
因みに普通のギアオイルですと、あっという間にディスクに傷が着いてしまい、ダメにしてしまいます |
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下半分が組終わりました。
もちろん2WAYカムに乗せてね♪
ここにもたっぷりのオイルを塗って組み込みです
プレッシャーリング、内歯、外歯、内歯・・・と組み込みます |
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最後に圧着用のコーンプレートを乗せて、第1段は終了♪
周りに溢れたオイルを綺麗にふき取って蓋をします
うーん・・・バラす前とそれ程変わらないなぁ・・・ |
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あまり変わらないのはここの隙間。
つまり新品=厚みがある=ここの隙間も広いはず?
なのに変わりなし。
ここがキツければ押さえ込む事でイニシャルもロックも強くなるんだけど・・・
とりあえず蓋をしてイニシャル測定。
メーカー基準値12キロですが、なんと10キロ切ってた・・・ |
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どうせドリフトしかしないし、ナラシが終われば摩耗してイニシャルも落ちるはず・・・なので、目標16キロに挑戦です
付属の 2,27mm、2,29mm を
2,07mm2枚と交換して再度測定!
結果12キロ弱・・・ 基準値かぁ・・・
うーん・・・面倒くさいなぁ・・・
でも後から気に入らないとか言うの嫌だから、別途あらたに2,30mmを何枚かオーダーしよっと。 |
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届いたのは2,30mmが2枚と2,28mmが1枚です(メーカーは全て同じものと判断しています)
まずは、
2,30mm2枚と2,11mm&2,08mmと交換しました
結果・・・完全デフロック! ×デス
続いて2,27mmを2,11mmに交換
結果・・・13キロ まだだなぁ・・・
つまりたった0,16mmの違いでこれだけ変わるって事です |
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次に2,08mm3枚を2,07mm2枚と1,80mm1枚に。
2,11mmを2,30mmに。
そして測定です
結果約19キロ! ちょっと高いかなぁ
ラストチャレンジで中古コーンプレート
結果18キロ弱! もういいしょっ(笑)
とりあえずこんな事を繰り返してイニシャル設定してるんです |
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結果報告です
O/H前 合計33,20mm 約7キロ
1回目 33,31mm 約10キロ
2回目 33,73mm 約12キロ
3回目 34,14mm デフロック
4回目 33,98mm 約13キロ
5回目 34,04mm 約18キロ
つまり元々から0,84mm厚みが変わっただけでここまで変るって事です
もちろんディスクの表面処理とか色々問題はあるとは思いますけどね
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本当はこんな面倒くさい事しなくても、調整用シム(0,1mm&0,2mm)を使ってやることも出来ますが、シムは磨耗性に不安なので、今回の様に調整しました。
また、効きが強すぎる場合は、ディスクの配列を変更して、摩擦を減少して組んだりします。
でもその場合は耐久性が落ちる方向になりますけどね
もうちょっと・・・とか要望があったら相談してくださいね~♪ |